2007年06月30日

蛍、昇華。

蛍が、漆黒の水辺から、上へ、梢へと上っていく姿は
見ていて魂がべりりとはがれるような、光景なのだ。

ふわふわとさまよう、儚い光は、あまりにも頼りなく
それでいて、どこか強烈な強さをもち、どこにむかうともなく光る。
それが、つっと上にむかう。
消えながら、ゆれながら、上へと向かうその光は
さまよえる魂の浄化と昇華を思わせる。

以前、一人で見上げていたときに、
あまりに美しく、厳しく、寂しさに心が削り取られるような思いをした。
見てはいけないものを、見上げているようなそんな気持ちがした。

今回は、その光景を知人にみてもらいたくて案内した。
肌寒いくらいの風に異界の厳しさを感じてか、
やや緊張気味の表情をみせていたその知人は、
群れなすややみどりがかった蛍光に歓声をあげ目を輝かす。
そうだろう。
蛍は、見事だ。

見てほしかったのは、厳しく美しい浄化へ向かう魂の様相、
それをまったく同じ言葉で口にする知人に
見てもらいたかったものをすべて見てもらえて、ほっとした。
案内してよかった、ではなく、平安を得た。

おそらく、再び、魂が浄化されるかごとくの蛍の飛翔をみても、
私の心は平安のうちにいてられる。
あまりに美しい光景や体験は、心を掻き毟る、と、昔、別の知人がいっていた。

魂を掻き毟る光景を、寂しさを、一人で全身で受け止める記憶に重ねて
その美しさを他人と共有することができたという記憶を、得た。
深く深い闇の中にゆったりと身をゆだね、ゆっくりと沈んでいくような
そんな平安を得た。

すべてのものは回帰する。
そこは見えないが、回帰する途中にあるのだろう。




posted by CORONA at 13:43| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
きょうは、ここで体験したよ♪
それでいてここに歓声は回帰しなかったよ。
Posted by BlogPetのでぃえむ at 2007年07月04日 10:05
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