という副題がついたチャンドラー・バールのこの本は
個人的な嗜好にかなり沿ったものだった。
誰がロケット燃料の匂いについて興味をもつだろう?
またその気難しい振る舞いについても。
本筋から離れた瑣末な枝に過ぎない記述、
なのだが私にとっては魅力的(はあと)。
匂いの記述も色とりどりだ。
生体膜による電子トンネル効果なんていうのもわくわくものだ。
楽しい本だった。
また読み返せば
エピソードの中からふと気になるものが顔をだすかもしれない。
まったくもって正月の福袋のような本だった。
覚書として引用・・・P214〜
〜リパード夫人が、嗅覚が変化すると同時に物理空間に対する感覚が変化するのを体験したのは、トゥリンにはちっとも意外ではなかった。「あたりまえだよ。
もしも視覚や聴覚が急に変化したら、自分がいる部屋の大きさが変わって感じられても不思議じゃないだろう?嗅覚だって同じさ。嗅覚だって自分がどこにいて、
ほかのさまざまなものと時空間においてどんな関係にあるかを近くするのに役立っているんだ」〜
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